宿泊研修〜1日目〜奨学金と小論文

 2020年度第2回目の宿泊研修を行いました。コロナウィルスの感染状況が心配される中ではありましたが、会場には前回以上にパーテーションを用意、リモート用の機材も追加手配して臨みました。


 1日目は、大学教員をしている先生を講師に招き、奨学金と小論文をテーマにプログラムを行いました。まず、先生から参加者に質問が飛びます。


「大学に行ったらどんなメリットとデメリットがあると思う?」


「お金がかかりそう」「時間もかかるよね」「就職に有利」「でも悪い遊びを覚えちゃいそう」など、様々な意見が飛び交います。


 そこで先生が見せてくれたのは、高卒と大卒の生涯賃金の差や、父親の最終学歴によって子どもの進学率にどのような影響が出るか、といったデータ。見ていくうちに、たとえお金や時間がかかっても、最終学歴によって自分の生涯賃金や子どもの進学率にまで影響が出ると知り、進学の重要性がわかったところで、実際に今年度から始まった、高等教育就学支援新制度の仕組みを詳しく学びました。


 次に、進学に必要な資金調達の方法の一つとして奨学金について学びました。奨学金は年度によっても、地域によっても情報が大きく異なります。大切なのは早めの情報収集と、いざ借りたい時に募集資格を満たせるよう、日々の勉強を頑張って良い成績を維持しておくこと!そして申し込みに必要な小論文を練習しておくことです。


 そこで、実際に過去の出題を例に、小論文を書いてみました。まずは付箋に書きたいテーマについて思いつくキーワードを書き出していき、次にそのテーマにエピソードを添えて短い文章にして、原稿用紙に小論文にして記述。最後に1人ずつ読み上げて発表しました。


 どの参加者も個性の溢れた素晴らしい小論文で、将来の目標が明確に記されており、講師の先生からも称賛の声が止みません。会場のスタッフからも、大人顔負けの文書や、純粋で実直な文章に、思わず感嘆のため息が漏れていました。この経験を自信として、夢を諦めずに挑戦する心を忘れないでいてほしいと願っています。

一般社団法人わたしのみらい

児童養護施設等で生活する高校生を対象に、大人になる/自立するってなんだろう、と自らが考える機会になるよう、プログラムを実施しています