スタッフコラム15:私が目指す「大人」

こんにちは。「わたしのみらい」でお手伝いさせていただいている、りなりーです。大学時代に参加していましたが、しばらくお休みしており、最近また復帰しました。どうぞよろしくお願いします!

今日は、ボランティアでの気づき、子どもたちとどう関わりたいか、そして24時間テレビの子ども支援企画を見て感じたことをお話しします。


驚かされた一言

活動の中で一番印象に残っているのは、スタッフさんから言われた

「児童養護施設にいるからって、話題に気を遣いすぎなくていい」
という一言です。

私はつい、家族や旅行の話を避けていました。「嫌な思いをさせてしまうかも」と思い込んでいたのです。でもスタッフさんから「生まれ育った環境がみんな違うのは当たり前のことなので、子どもの視野を広げるためにも意識的に避ける必要はない」と教わり、自然体で関わることの大切さに気づきました。

子どもたちは、身近な大人の姿から未来を描きます。だからこそ、私たちが生きる“知らない世界”を少しずつ伝えることにも意味があるのだと感じました。


「こんな大人になりたい」と思われる存在に

私が目指すのは、子どもたちに「こんな大人になりたい」と思ってもらえる存在です。

大学時代、塾講師や小学校の英語教育ゼミで子どもと関わる中で、将来なりたい職業を尋ねると、多くが両親や身近な大人の仕事を答えました。施設の子どもたちは「職員さんになりたい」と答える子が多かったです。見えない世界を想像するのは難しいからこそ、子どもは“見える世界”から未来を考えるのだと思います。

だからこそ、大人が楽しそうに働き、学び続ける姿を見せたい。大人が疲れた顔で働いていれば、子どもは将来に希望を持てませんし、大人が学ばなければ、自分もしなくていいのではと思うでしょう。私自身、子どもの頃「人に言う前に自分がやってよ」と思っていたので(笑)、子どもたちにそう思われない大人でありたいです。

子どもたちにとって、大人は身近な「世界の窓」。その窓を通して、未来に希望を持ってもらえるよう、私は関わっていきたいです。


「第三者」だからこそ話せる相手として

もう一つ大切にしているのは、子どもたちにとって「第三者だからこそ安心して話せる大人」であることです。

私は小学4年で山村留学、高校は寮生活をしました。自主的に親元を離れた日々は楽しくもありましたが、人間関係に悩み「もう出て行きたい」と思うこともありました。その時、私は実家に戻り、気が済むまで誰かに話すことができました。

でも、施設で暮らす子どもたちは、同じコミュニティの中で我慢したり、相手の機嫌を伺ったりすることもあるでしょう。逃げ場や相談相手の有無で、心の余裕は大きく変わります。だからこそ私は、スタッフさんとは違う立場で「安心して話せる大人」でありたいと思います。

話すことで思考が整理されたり、新しい視点を得られたりします。そんな体験を子どもたちに届けられる存在でありたいのです。

ボランティアに関わる方々は本当に温かい人ばかりです。私は性善説支持者なので、皆、根は優しい心を持っていると思っています。でも、意地悪を言う人や見下してくる人もいるでしょう。わたしのみらいのプログラムでは大人も子どもも他人の嫌がる事はしない・苦手な話題はパスして良いと言うグランドルールのもと進行されるので、ボランティアの皆さんには、安心して何でも話してほしいと思います。


社会とつながる支援、そして学び

今年の24時間テレビは子ども支援がテーマでした。私は今回初めて募金しました。募金は行き先が見えにくいため、あまり好きではありませんが、子どもたちが夢を追うために、日々の生活が守られることはとても大切だと思ったからです。

私自身、幼い頃から祖父母に戦争の話を聞いたり、発展途上国を訪れる機会がありました。同じ年の子どもが物乞いをしている姿に出会い、日本で生きられるありがたさを痛感しました。その環境を大切にしながら、誰もがやりたいことを見つけて懸命に生きられる社会になってほしいと願っています。

関わりのある児童養護施設にも、24時間テレビの寄付金の恩恵が届きますように。そして私自身も、子どもたちにとって「世界を広げてくれる大人」でいられるよう、学びを続けたいと思います。


最後に

これからも活動を続け、子どもたちに少しでも希望や安心を届けられる大人を目指します。どうぞよろしくお願いします!

一般社団法人わたしのみらい

児童養護施設等で生活する高校生を対象に、大人になる/自立するってなんだろう、と自らが考える機会になるよう、プログラムを実施しています