施設訪問型プログラムを実施しました

 今年度最初の施設訪問型自立支援プログラムを開催しました。

 新型コロナウィルス感染防止の為、開催延期となっておりましたが、現地に赴くスタッフを最少人数に絞り、残りのスタッフは初のリモート参加でプログラムに挑みました。

 いつも通りのプログラムができるか心配していたスタッフにとって嬉しかったのは、子どもたちがプログラムを楽しみに待ってくれていて、子どもも大人も「プログラムができて楽しい」という気持ちに溢れていたことです。また卒業・進級に伴い、参加者に新メンバーが加わり、フレッシュな雰囲気で始まりました。今回は特別ゲストとして、小学6年生も2名参加してくれました。


 今回のテーマは「安全なルールづくり」と、「今の自分がやってみたい仕事について、具体的に考えてみよう!」です。


 今年度初回のプログラムということで、みんなが安全に楽しくプログラムを行うための、基本ルール①うなずこう ②ひみつは守ろう ③話したくない・やりたくない事があったらパスをしてもOK!というスタッフが用意したルールをおさらいしました。その上で、これ以外に、どのようなルールがあると良いか、参加者と考えてみました。

 早速参加者から「人の意見に反対しない」を追加したらどうか、との意見がありました。人はみんな違って色々な意見があるから、反対したいと思う人の気持ちも大切にしたいよね、そうしたら何か別の言い回しはないかな?とみんなで考えたところ、一つ目の追加ルールは「人の意見をちゃんと聴きましょう」に決まりました。

 続いて「プログラム中にイライラしている人がいたら楽しくできないな…」と意見があがり、人がどんな様子だとイライラしている様に見えるか考えてみたところ、「声のトーンじゃない?!」「お菓子をあげたら、イライラした人も落ち着いてくれるかも」などの意見が出て、結果「プログラム中にイライラする人が出たら、お菓子を食べてもらう」のルールも追加されました。

 参加者全員が積極的に考え、納得して出来たルール。「イライラしている人に、お菓子を食べてもらう」は、大人では思いつかないアイデアで、スタッフも感心しました。

 次に、今の自分がやってみたい仕事について考えてみました。

 まずは自分が好きなこと・興味・関心があることを付箋紙にどんどん書き出してもらい、書き出した好きなことから繋がる職業は何が考えられるのか、用意した職業別リストを見ながら考えました。

 例えばサッカーが好で、将来は選手になりたいと思っている参加者と一緒に職業別リストを見てみると、そこにはサッカーに関する職業として、プロ選手の他に監督・コーチ・審判員・スポーツトレーナーなどの職種の記載が。その職種別に必要な学問の欄には、スポーツトレーナーでは人間科学、鍼灸・柔道整復学、健康科学などと書かれていました。参加者も「『鍼灸』って何て読むの?」と知らない職種や学問に関心を寄せていました。

 また将来なりたい職業が具体的に決まっている子は、スタッフと共にネットで実際の求人情報を見て、「給料が300万から500万だって~!!!」「応募するためには、学歴が専門学校卒以上必要だって…」などと興奮気味に話しながら、求人を見ていました。

 今回は、どのような職業があって、その職業に就くにはどのような勉強が必要なのかを一緒に考えることが目的でしたが、ひとりひとりの参加者ならではの感じ方、考え方を大切にしつつ、広い視野を持って、より具体的に自分の将来について考える機会を増やして欲しいと願っています。これをきっかけに、今学期の学校生活のモチベーションにも繋がってくれたら嬉しく思います。

一般社団法人わたしのみらい

児童養護施設等で生活する高校生を対象に、大人になる/自立するってなんだろう、と自らが考える機会になるよう、プログラムを実施しています